Dearest 2nd 〜Moon〜



────ドキッ…






いつも、そう。





頭では毎日君の笑顔を浮かべているはずなのに、こうして面と向かって会うといつも胸が浮く。





久しぶりに見た君は、どこかまた俺の知らない表情で。





一つ進学して、高3。





出会った頃から三年が経って、またグッと大人っぽくなった気がする。





彩はどこか悩まし気な表情で、俺に気付いてる様子もなく……







「───…彩」






背後から声を掛けても、心ここにあらず。






「……はぁ……」






溜め息一つ付いて、肩を落とすから







「───彩!」





「えっ?!?!」






さっきより声を張って呼び止めると、彩はパッと後ろを振り向いた。






─────…






振り向いた瞬間、時が止まったかのように息が詰まる。





振り向かれただけで。




目が合うだけで。





嬉しい気持ちを隠すなんて余裕、申し訳ないけど全然ない。







「──どないしたん?




……何や暗いやん。」







久しぶりに話し掛けるから、声も上擦る。





らしくないけど、嬉しさと恥ずかしさで顔が火照っていく俺がいる。







「───あ、朝岡さ───……っ!?!?」






やっぱり全く俺の存在に気付いていなかったらしい。





そんな若干パニック状態の彩を見て、俺はくすくすと笑ってしまった。






「──…まだ大学春休みからさ、今日はこっち帰って来てん♪」





「……そっそうなんだ……」






…──なんて。





本当は会いたい一心で帰ってきたんやで、とかサラッと言えたらいいんやけど。






……まぁ。





俺の現在地点なんてこんなもん。





もっと近付きたいんやったら、まっだまだ頑張らなあかんなって思う。


< 13 / 30 >

この作品をシェア

pagetop