Dearest 2nd 〜Moon〜
「あっはは♪
これすごいウケるねっ!」
しばらくして、キョーコやマサシ達が輪になってキャッキャッ盛り上がっているのが聞こえてきた。
「何なに?何か楽しそう♪」
「あっ彩!これ見て!
マサシの顔ヤバくない?」
彩もそれに反応し、すかさずその輪の中に入る。
「ほら見てこれ♪」
キョーコはサッと分厚い何かを差し出し、彩はそれを手に取る。
────…が…。
「………これ………」
そう言って、彩の動きが止まった。
「?」
何やろ?
不思議に思った俺もまた、彩の背中越しに“それ”を見つめた。
そこには───…
「───…あ…」
それは、卒業式に部員みんなで撮った集合写真。
「────……」
写真には、あの日の笑顔がそのまま色褪せずに写っている。
ほんのつい何週間か前の事なのに、ひどく懐かしく感じるのは何故だろう。
「ほんまや♪
マサシ、猿みたいやん。」
「………」
「彩?どないしたん?」
「──え?あっ……」
ハッと我に返った彩は。
俺の顔を一瞬見つめ、サッと視線を逸らした。
「……」
まるで“しまった”とばかりに。
「あっうん!!本当だよね、笑っちゃう…」
「───……彩……」
「着替えてくるねっ♪」
逃げるように部室から出ていく彩の背中を見送り、俺はその写真を手に取る。
「…」
…───あぁ…
これか…。
集合写真には、部員全員が笑顔でポーズを構えているが、その中で彩は無理矢理笑ったような笑顔が印象的だった。
それに……
────“ぶん”。
花束を抱え、センターで笑顔で微笑んでいるぶんはいつもより目立つ。
俺でもすぐに目が行くくらいだから、彩もきっと───…。
「……」
そう思ったら何となく。
━━━━━ガラッ!
扉を開け、彩の後を追っていた。