Dearest 2nd 〜Moon〜
「……あぁ、うん。
とりあえず進学しようと思ってる。
───歯科衛生士の。」
……へ…。
返事は意外にもアッサリとしていた。
「え、歯科衛生士?
……ってあの歯医者にいる?」
「うん、そう。
国家資格だから有利かなぁって思って。
ただそれだけなんだけど……。」
「───へぇー!すごいやん!!!!
そっかそっか♪医療系かぁ……」
───……。
“医療”…。
そこでふと浮かんだのは、アイツの事。
紛れもなく、“ぶん”だった。
確か……
確かぶんも医療系を目指していたっけ。
「…………」
一瞬だけ、まともに彩と目を合わせられなかった。
そんなことさえ結び付けてしまう自分が恥ずかしい。
かといって、毅然としていられるほど余裕もない。
俺って心狭い……。
「……そっ、そんなことないよ!!!!
────あ!ねぇ!!!!
朝岡さんは?
朝岡さんはどうして音大進んだの?」
「───え、俺?」
突然の質問に目がパチパチ。
彩が俺の事を聞いてくるなんて初めてかもしれない。
「うんっ!
そういえばどうして音大目指したのとか、詳しく聞いてなかったなぁと思って……
知りたいなぁって♪」
「……ん~……せやなぁ……。
俺は彩みたいに高校卒業してすぐには大学には行ってないよ。」
「────え?」
今度は彩が驚いて瞬きを繰り返した。