その息尽きるまで時間は無限
小学校生活最後の年を楽しみにしていた私は、たった進級1ヶ月で出鼻をくじかれ、現在の壊れた人間になっていた。



ちなみに、今は9月。

夏休み明け一週間の残暑残る日。




うつろな目で時計を見ると、そろそろ休み時間が終わろうとしていた。



本をしまうと、後ろから声をかけられた。

「おい」

声的に楓だ。
ふりかえると、やはり茶髪じみた地毛を持つ楓がいた。

「今日の放課後、てめぇ一階の多目的トイレ来い。来なかったらどうなるかわかってるよな?」

私を見ながら、話すのすらだるそうに言う。



私は無言で頷いた。

逆らえばどうなるかなど、想像もしたくない。


トイレか。
何をされるのだろう。

モップを押し付けられるかも。
あるいは、普通に殴られるかも。












いやだ、怖い。



次の時間の準備をする手が震える。


吐き気がする。

苦しくて泣きそうになりながら…





昼休みになった。
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