【完結】七年越しの初恋は甘く熱く、ほろ苦く。

 そんな訳……ないよね。

「私のことからかってるなら、やめてよ」

「からかってる? そんな風に見える?」

「………」

 そんな言い方されたら、少しばかり期待をしてしまう。 そんなつもり、きっとないとわかっているのに。
 私の無垢な心が、どこかで期待をしてしまっている。

「からかってる訳、ないだろ。 本当のことだ」

「……三国くんて、そんな人だったっけ」

 真顔でそんなこと言う人だったかも忘れてしまった。 思い出せない。

「言っとくけど俺、あの日から一度も絵梨沙のこと忘れたことはないからな」

「……え?」

 あの日からって、まさか……。

「俺はあの日の夜から、絵梨沙のことが頭から離れなくて困ってたんだけど」

「えっ。そ、そんなこと、言われても……」

「あの日の夜から、俺は絵梨沙のことがずっと気になってた。 俺が向こうに行く前に話したかったのに、絵梨沙が俺を避けるから話せなかったんだよ」

「そ、それは……」

 確かに、私は三国くんのことを避けていた。 

「ずっと言いたいことがあったんだ、絵梨沙に」

「……なに?」

「絵梨沙のことが、ずっと好きだった」

「え……。えっ?」

 突然の言葉に困惑した私は、思わずアイスカフェラテに視線を落とした。

 待って。今のは告白……だよね? え、そうだよね?

「俺本当は……絵梨沙のことがずっと好きだったんだ。大学の時」

「う、ウソ、でしょ……?」

 え? だって、私のことはなんとも思ってないって、そう言ってたのに……。
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