【完結】七年越しの初恋は甘く熱く、ほろ苦く。


「ウソじゃない。 あの時は、素直になれなかった。……絵梨沙から好きだって言われて、本当はめっちゃ嬉しかったのにさ」

「えっ、えっ……えっ?」

 うまく状況が飲み込めそうにない。 なんて言葉を返したらいいのかわからない。

「俺、絵梨沙のこと傷付けたんじゃないかって思ったんだ。……だから、ずっと謝りたかった」

「そんな……。だってあれは、私が最初に頼んだことだし……三国くんは、悪くないよ」

「本当は向こうに行く前に、絵梨沙に好きだって言いたかったんだ。 日本に帰るまで、待っててほしいって、そう言うつもりだった」

 私は三国くんからその言葉を聞いて、俯いてしまう。

「……絵梨沙、本当にごめん」

「三国くん……私こそ、ごめん。避けたりして、ごめんなさい」
 
 私は何をしていたのだろうか。 三国くんの気持ちに気付かず、自分のことばかりを考えていたことを反省した。
 
「絵梨沙……顔を上げてくれ」

「私も、ずっと三国くんのことが好きだった。……ううん。今でも、好きだったんだなって気付いたよ」

 七年間、私は恋が出来なかった。 恋したいと何度も思ったけど、出来なかった。
 それは、三国くんのことが好きだったからだ。 三国くんのことを忘れられない哀れな自分のせいで、恋が出来なかった。
 
 恋人は何人かいた。でもちゃんと好きになることは出来なくて、結局私から別れを告げていた。
 ずっと私の脳裏には、三国くんがいた証拠だ。 それじゃ、恋なんて出来なくて当然だ。
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