【完結】七年越しの初恋は甘く熱く、ほろ苦く。
祥太くんは「ありがとうございます」と私の隣に座る。
「今お茶淹れるから、座って待ってて」
私はお母さんの手伝いをするためキッチンへと向かった。
「お母さん、お茶淹れるの手伝うね」
「ありがとう。 今コロッケ揚げてるから、ちょっと待っててね」
「うん、ありがとう」
お茶を淹れている間、リビングでは祥太くんとお父さんが二人きりだ。 なんか話してるのかな?
「お茶淹れてから持っていくね」
「うん、ありがとう絵梨紗」
お茶をリビングへと運ぶと、祥太くんが少し緊張している様子だった。
「はい、祥太くん」
祥太くんの前にお茶を置くと、祥太くんは「ありがとう」と微笑んだ。
やっぱりちょっと、緊張してるみたい。 なんかでも、そういう祥太くんもかわいい。
「はい、お父さん」
「お、ありがとう」
お父さんはお茶を運んだ私に、小さい声で「絵梨紗、三国さんいい男じゃないか」と言ってくれたから、私も「でしょ?」と微笑んだ。
「祥太くん、お母さんが色々と料理用意してくれているから、食べてって」
「あ、ありがとう」
私は祥太くんの隣に座ると、「祥太くんの好きなコロッケもあるから、たくさん食べてね」と囁いた。
「コロッケ? ちょっと嬉しいかも」
「遠慮なく食べていってね」
祥太くんの緊張を少しだけ解けたらいいなと思い、「お茶飲もう」と微笑む。
「うん、美味しいお茶だね」
「うん、美味いな」
祥太くんでも緊張するんだなと思うと、ちょっと嬉しくなる。