【完結】七年越しの初恋は甘く熱く、ほろ苦く。
「七年も経って絵梨沙がすごく変わってたら、どうしようかと思ってたけどね」
「そんな……そんなに変わらないよ、私は」
そう言い返すと、三国くんは私の手を握って「だから、それが安心したってこと」と微笑む。
「……そっか。なら良かったよ」
「絵梨沙、俺これからこの法律事務所で働くことになったんだ」
三国くんは私に名刺を渡してくれる。
「志木川、法律事務所……?」
「そう。俺明日からこの法律事務所で働くんだ。志木川さんは、この事務所の代表だ」
「そうなんだ。 三国くんは、日本久しぶりなんだよね?」
「ああ。 だからこれからはいつでも、絵梨沙と気兼ねなく会えることが嬉しいんだ」
そんなことを言うものだから、私はつい「私も、同じ気持ちだよ。 三国くんと会えて、嬉しい」と話した。
「絵梨沙が相変わらずかわいいから、どうしようって思ってるくらいなんだけど」
「へっ? そ、そんなことないよ!」
三国くんに褒めてもらえるのは嬉しいけど、照れる。
「絵梨沙、俺と付き合ってくれる?」
急に真剣な眼差しを向けられた私は、それに応えるように「……私でよれけば、よろしくお願いします」と頭を下げた。
「本当か?」
「うん。だって断る理由は、ないでしょ? 私たち、両想い……なんだし」
七年経ってこの恋が、実るとは思ってもいなかった。 これが運命なのか必然なのかはわからないけど、できれば運命だと思いたい。
「ありがとう、絵梨沙」
微笑む三国くんに、私は「うん」と頷いた。