【完結】七年越しの初恋は甘く熱く、ほろ苦く。


 向こうで弁護士になったのもすごいなと思うし、三国くんが本当に努力家なんだなってことを改めて知った。

「でさ、俺決めてたんだよね」

「ん? 決めてたって……何を?」

 私がそう問いかけると、三国くんは私の目をジッと見て「俺が日本に帰ったら、一番最初に絵梨沙に会いに行こうって」と言われて、顔が熱くなるのがわかった。

「え、え……えっ?」

「だから一番最初に、絵梨沙に会いに来たって訳」
 
「えっと……どうして?」

「どうしてって? そりゃあ、好きな女に最初に会いに行きたいって思うのは、当然のことだろ?」

 す、好きな女……。改めて言われると恥ずかしくなるし、緊張してしまう。

「あ、ありがとう……嬉しい」

「俺も絵梨沙がちゃんと絵梨沙でいてくれて、嬉しいけどね」

「えっ?ど、どういう意味?」
  
 私はずっとこのままだし、この先だって私は変わらない。変わることもきっとないだろうなと思う。
 むしろ三国くんもあまり変わってないように見えて、ちょっと安心感を感じる。

「俺が昔から好きなままの、絵梨沙ってことだよ」

「そ、そうかな……?」

「変わってなくて、なんか逆に安心した」

 変わってなくて安心したって……そんなこと言われたの、初めてなんだけど。
 
「それって、褒めてるってことで合ってる?」

「褒めてるよ、もちろん」

「あ、ありがとう」
  
 でも私、やっぱりあの時好きなままの三国くんであることが一番嬉しいと思ってる。
 あの時のずっと優しいままの三国くんだ。
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