【完結】七年越しの初恋は甘く熱く、ほろ苦く。
今の自分と昔の自分
「絵梨沙……!」
「あ、智世!」
月末を迎えようとしていたある日、久しぶりに智世から連絡が来た。智世は結婚して子供がいるので、子育ての真っ只中にいる。
智世とは大学を卒業してからもちょくちょく連絡は取り合っていたけど、智世が妊娠中だったりということもあり、連絡するのはしばらく控えていた。
智世の子供も一歳を過ぎたところで、智世も私に会いたいと言ってくれたのは嬉しい。
智世の旦那さんは今海外赴任中で、シンガポールにいるらしい。もうすぐ帰ってくるとのことで、智世もようやくワンオペから開放されると言っていた。
旦那さんはエリート商社マンでとても素敵な人で、智世のことを本当に大事にしてくれていると思う。
智世いわく、旦那さんは智世よりも十歳年上だけど、包容力があって大人な人らしい。
智世も結婚してから三年くらい経っているけど、今はすっかりママという感じなので、あの頃の雰囲気からはすっかり落ち着いている気がする。
「智世、久しぶり」
「久しぶり〜。元気だった?」
「うん。 智世は?」
「私は相変わらずかな」
久しぶりに会った智世は元気そうだった。忙しいみたいだけど、子供に癒やされているそうだ。
「そっか。 でも元気そうで良かったよ」
「元気元気。 まあ子供に振り回されてばかりだけどね」
智世は今日子供をお母さんに預けているみたいで、のんびり出来るそうだ。
だからこんなにたくさん話せるのは嬉しいし、話したいこともたくさんある。