愛を伝えていたら…

幼馴染み

季節は8月の中旬。
私、有村ことねは、日傘を片手に、外へと出掛けた。 
「今日も暑いなぁー。」
そんなことを呟きながら、私は家を出たばかりなのに、もう帰りたいと思ってしまった。
はぁー。大体こんな時期に呼び出すなんて何なのよ!私は家でクーラーのきいた部屋でグッタリしていたいのに!
そんなことを思いながら、私はある場所へと向かった。
広い庭に夏を感じるひまわりが、存在を名いっぱいに象徴するかのように伸びていて、ポストが錆びれた古民家のような家に辿り着くと、

「あ、ことね!来てくれてありがとう。」

手をブンブンと振りながらこちらに駆け寄ってくる、私の幼馴染みの姿があった。

「もう!いきなり何の用なのよ!いきなり“助けて”なんてメッセージが送られてきて来てやったけど、随分と元気そうじゃない!」
 
「はは、ごめんごめん。とりあえず中に入って。」
 
促されるまま、私は中に入っていくと、

「え、ちょっ、何なのよこれは!」
< 2 / 34 >

この作品をシェア

pagetop