愛を伝えていたら…
見ると、家の中が散らかっていた。
まるで犬が暴れた後のように。

「それがさ、飼い始めた犬のボムちゃんが暴れちゃって。親は仕事の都合で朝早くに家を出て、俺はといえば昼まで寝てたもんだから、その間にボムちゃんが暴れまくってみたいでさ、起きたらこの状況。」

「はあ?昼まで寝てたの!?あんただらけすぎでしょ。」

「いやぁー、夏休み中ってそんなもんじゃない?」

「いやいやあり得ない。夏休み中でもいつも通りに夜寝て朝起きるのは普通でしょ。」

「ことねが真面目すぎるだけだよー。」

「いやあんたがマヌケすぎるだけでしょ。」

このマヌケ男は足立卓哉。私の幼馴染みで、同じ高校に通う高校2年生。私の一個上。高校2年生とは思えないほど、こいつは抜けてるところが多すぎる。しかも、全部人任せ。朝起きるのも、親に起こしてもらはないと起きられない。こいつの親御さんはホントに大変だと思う。
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