幽霊学級
「あのさ、転校してきてすぐの僕がこんなことを質問するのはおかしいと思うかもしれないけど、友達の手助けをしたくてさ」
「うん?」
ここまで呼び出したもののやっぱり質問しにくくて回りくどいことを言ってしまった。
だけどこれじゃ余計にユリちゃんに怪しまれてしまう。
「単刀直入に聞くけれど、今好きな人とかいる?」
その質問にユリちゃんは一瞬固まってしまって、それから一気に耳まで真っ赤になった。
「あ、あの、僕がどうこうとかじゃなくて、さっき言ったように友達の手助けがしたくて、そのっ」
慌てって言い訳をすると自分でもなにを言っているのかわからなくなってきてしまった。
だけど目の前にいるユリちゃんはすぅと息を吸い込むと「そうだね」と、頷いた。
「好きになりかけていた人なら、いる」
その言葉に瞬時に誠の顔が浮かんできた。
「そ、それって……」
「森岡誠くんっていう子」
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