幽霊学級
こんな早朝の街にふさわしくない音に、僕の全身が冷たくなっていくのを感じる。
功介は大丈夫なんだろうか?
今はまだ家にいるはずだけれど……。
癖でついスマホを取り出すけれど、連絡先がわからないことに気がついて手を引っ込めた。
やっぱり、こういうときのために連絡先は聞いておくべきだったんだ。
悔しくて下唇を噛み締めたとき、「カンナ! さっさ起きろ!」と、男性の声が聞こえてきた。
カンナ。
きっと功介の妹の名前だろう。
「いつまで寝てんのよ、使えない子ね!」
続いて母親の声。
そして無理やり叩き起こされたのか、カンナちゃんが「ごめんなさい。ごめんなさい」と何度も謝っている声が聞こえてきた。
僕はグッと拳を握りしめてその声を聞く。
功介は?
功介はもう起きてでかけてしまったんだろうか?
功介が家にいるなら、親を止めに入る声だって聞こえてきそうだ。
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