幽霊学級
すぐ近くの席に座るおさげ髪の女の子が文庫本から顔を上げた。
「いや、今日はやけに静かだなと思って」
だけどこのクラスにもちゃんと生徒はいる。
集団で休んだりはしていないことがわかったが、みんな静かにスマホをいじっていたり本を読んでいたりする。
普段ならすぐに外でサッカーをやりはじめる生徒もいるのに、今日はなぜか机に突っ伏して寝ているようだ。
「今日は仕方ないよ。だってあんなことがあったんだから」
「あんなこと?」
和彰が教えてくれなかったバタバタのことだろうか?
「あなた知らないの? あんな大騒ぎになったのに」
女子生徒が呆れ顔を浮かべるので、僕は昼から学校へ来たことを伝えた。
「それなら知らなくても仕方ないか」
「ねぇ、なにがあったのか教えてよ」
そう言うと女子生徒は途端に渋い顔になり、黙り込んでしまった。
その顔色は少し青い。
「ごめん。私の口からはちょっと」
「どうして?」
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