白雪姫は、もう目を覚さない

……なんか、気に食わねぇ。

理由なんか分かんねぇけど。

あいつは、
俺が持ってないものを、普通に持ってる気がした。

何かに夢中になることも。
生きている意味も。

そんなの、俺はとっくに失っている。

だから―
まっすぐに空を描いてるあの子が、
少しだけ、羨ましかった。
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