白雪姫の王子様
「そうか……」

でも、彼は私の絵は全く見ずに、
ただ気まずそうに、立っている。

その姿が、さらに私の興味を引いた。


彼のことを、知りたい。


「あの……あなた、ボランティアの人?」

「……いや、違う」

「そうなんだ。じゃあ、なんでここに?」

「さあ。勝手に連れてこられただけ。じゃあ」

会話はそれだけだった。

でも、なぜかその背中が遠ざかるのが少しだけ寂しくて、私は声をかけた。

「また、通りかかってね」


私を見つめていた彼は、
一体、何者だったんだろうか。

ふと、私は小ささ頃の夢を思い出す。

王子様が私を迎えに気くれる。

白雪姫が大好きな幼い私が、
思い描いた、儚い夢。
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