白雪姫の王子様
「まずは、医者とか親に許可ーー」

「私の親は、許可しないと思う」

雪に言葉を遮られる。

「……なんでそう思うの?」

莉子が、ゆっくりしゃがみ込む。

そして、雪と目線を合わせて、優しく聞く。

「それは……」

雪の声が、少し震える。

布団を、強く握る。

「私のお父さんとお母さんは……私と、向き合ってくれないの」

空気が、一気に静まる。

「どいうこと?」

「……いつもね」

雪が、ゆっくりと話し始める。

「『ちゃんと治るよ』って、『だからもう少し頑張ろう』って……そればっかり」

雪の表情から、感情が読み取れない。

「私に向ける笑顔も、なんか……」

雪は、一生懸命に言葉を探して、

「作り物みたいで」

誰も、何も言うことができなかった。

「……本当は」

雪は小さな声で、続ける。

「私が生きるのを一番諦めているのは、二人なんだ……」

静かになる。

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