I will love you longer them forever
その日は、まるで二人を祝福するかのように雲一つない美しい青空が広がっていた。

六月六日の日曜日。教会で一組のカップルの結婚式が行われることになった。新婦の名前はアリス・ベーカー。新郎の名前はオスカー・ライト。二人の門出を祝うため、今日は多くの友人や家族が駆け付けていた。

式が始まるまで花嫁は忙しい。ウェディングドレスを着て、髪を綺麗に結ってもらい、メイクもしてもらう。

アリスの胸には、今日を無事に迎えられた喜びと同時に緊張が走っていた。あと数十分後には神の名の下、オスカーと夫婦として生きていく。この日を待ち望んでいたはずだというのに、手が何故か震えてしまうのだ。

「何だか私、おかしいのかしら……」

ずっと幼い頃から憧れていたウェディングドレスを着て、今アリスは椅子に座っている。オスカーと二人で選んだAラインのドレスだ。純白のベールにバラのブーケを見ると、自分が花嫁なんだと嬉しくなる。

ドアがノックされた。続いて、「入っていいかな?」と緊張したような声がした。アリスはドアの方に顔を動かし、「どうぞ」と言った。誰が入ってくるのか、その声ですぐにわかる。
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