I will love you longer them forever
「アリス……!とっても綺麗だよ!」

部屋に入って来たのはオスカーだ。彼もグレーのタキシードを着て、普段は櫛で軽く梳かすだけの赤い髪を綺麗にセットしている。

「オスカー、いつもと雰囲気が違うわね」

「そうかな?まあ、普段はあんまり髪のセットとかしないからなぁ。それより、今日の俺はかっこいい?」

「それ、自分で聞いちゃう?」

アリスとオスカーの笑い声が響く。しばらくした後、オスカーが真剣な表情をしながら椅子に座った。

「アリス。結婚式が始まったら、きっとゆっくり話す時間は少ないと思う。今日は恋人でいる最後の日だ。だから、恋人だった頃を振り返りたい」

「そうね。私もそうしたい。オスカーと結婚することはとても嬉しい。でもそれと同じくらい緊張してしまっているから」

アリスもオスカーと向き合うように座り直した。そして思い出を一つずつ振り返っていく。

甘く幸せな日もあれば、苦く苦しい日もあった。それは夫婦になっても変わらない。しかし、苦く苦しい日をこの人となら乗り越えられるとアリスとオスカーは互いに思っているのだ。
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