Far away ~遥かなる想い~
「段取りは悪いし、なんでそんな上から目線なのって。廣瀬さんは、こちらの気持ちに寄り添ってくれてたけど、あなたはそちら側の都合を押し付けるばっかりじゃないって。」
「・・・。」
「お恥ずかしい話なんですけど、彩さんが抜けて、本当に忙しくなって、私、アップアップだったんです。彩さんからはキチンと引き継ぎをしていただいたはずなのに、抜けちゃってることもあって・・・。この間なんか、追加の引き出物の発注忘れて、式の当日、蒼くなって業者さんに電話して、なんとか持って来てもらったんですけど、その時に『実は前にもこういうことがあったけど、その時は廣瀬さんが事前に気付いて、フォロ-してたからね。ウチの発注は、ヨソとちょっとシステムが違って特殊だから、新人のプランナ-さんはよくやるんだよ。』って言われて。本当に情けなかったです。」
俯き加減のまま、そんなことを言う静。
「私、即戦力を期待してるとか言われて、実際に自分で言うのもなんですけど、結構順調に成約とかも獲れて、すっかり有頂天になっちゃって・・・でもそれって本当にただついてたというか、たまたま上手くいっただけだし、自分の知らないところで、彩さんに守ってもらってただけだったのに・・・恥ずかしいです。彩さん、本当にごめんなさい。許して下さい。」
そこには彩をてこずらせ、悩ませた静の姿はなかった。そんな後輩を、労わるような表情で見ていた彩は
「そっか・・・大変だったね、静。」
と優しく言った。その声音に、ハッと静は顔を上げた。
「私も悪かったんだよ。」
「えっ?」
「確かに、静のミスに気が付いて、何回か黙ってフォロ-したことはあった。でもそれって、黙ってじゃダメなんだよね、本当は。ちゃんとこういうことがあったから、次からは気を付けなって、あんたにちゃんと言わないと。あんたの為にもならないし、意味がないんだよ。だから、私の方こそ、あんたに謝らないと・・・。」
「ううん、それは私が聞く耳を持たなかったからです。そんな奴に、なんか言ってやろうなんて、彩さんが思わなくなるのは当然だったと思います。全部自分のせいなんです。」
静は潤んだ目で彩を見つめながら、言った。
「それに私が急に放り出すように辞めたからさ。静だけじゃなくて、松下さんや他のみんなに迷惑かける、もっと言えば、自分の担当してたお客様にご迷惑が掛かるってわかってたのに、あの時の私は、もう踏み止まれなかった。」
「正直に言えば、彩さんが辞めるって聞いた時、無責任だと思いました。でもあの時、彩さんの身に何が起こってたのか、全部をお聞きしたわけじゃないですけど、今は仕方なかった、むしろ当然だと思います。松下さんはこう言ってました、『恋人に裏切られたのはもちろん辛かったと思う。でもそれ以上に課長の仕打ちが、廣瀬さんの心を折ったんだよ。』って。」
「・・・。」
「・・・。」
「お恥ずかしい話なんですけど、彩さんが抜けて、本当に忙しくなって、私、アップアップだったんです。彩さんからはキチンと引き継ぎをしていただいたはずなのに、抜けちゃってることもあって・・・。この間なんか、追加の引き出物の発注忘れて、式の当日、蒼くなって業者さんに電話して、なんとか持って来てもらったんですけど、その時に『実は前にもこういうことがあったけど、その時は廣瀬さんが事前に気付いて、フォロ-してたからね。ウチの発注は、ヨソとちょっとシステムが違って特殊だから、新人のプランナ-さんはよくやるんだよ。』って言われて。本当に情けなかったです。」
俯き加減のまま、そんなことを言う静。
「私、即戦力を期待してるとか言われて、実際に自分で言うのもなんですけど、結構順調に成約とかも獲れて、すっかり有頂天になっちゃって・・・でもそれって本当にただついてたというか、たまたま上手くいっただけだし、自分の知らないところで、彩さんに守ってもらってただけだったのに・・・恥ずかしいです。彩さん、本当にごめんなさい。許して下さい。」
そこには彩をてこずらせ、悩ませた静の姿はなかった。そんな後輩を、労わるような表情で見ていた彩は
「そっか・・・大変だったね、静。」
と優しく言った。その声音に、ハッと静は顔を上げた。
「私も悪かったんだよ。」
「えっ?」
「確かに、静のミスに気が付いて、何回か黙ってフォロ-したことはあった。でもそれって、黙ってじゃダメなんだよね、本当は。ちゃんとこういうことがあったから、次からは気を付けなって、あんたにちゃんと言わないと。あんたの為にもならないし、意味がないんだよ。だから、私の方こそ、あんたに謝らないと・・・。」
「ううん、それは私が聞く耳を持たなかったからです。そんな奴に、なんか言ってやろうなんて、彩さんが思わなくなるのは当然だったと思います。全部自分のせいなんです。」
静は潤んだ目で彩を見つめながら、言った。
「それに私が急に放り出すように辞めたからさ。静だけじゃなくて、松下さんや他のみんなに迷惑かける、もっと言えば、自分の担当してたお客様にご迷惑が掛かるってわかってたのに、あの時の私は、もう踏み止まれなかった。」
「正直に言えば、彩さんが辞めるって聞いた時、無責任だと思いました。でもあの時、彩さんの身に何が起こってたのか、全部をお聞きしたわけじゃないですけど、今は仕方なかった、むしろ当然だと思います。松下さんはこう言ってました、『恋人に裏切られたのはもちろん辛かったと思う。でもそれ以上に課長の仕打ちが、廣瀬さんの心を折ったんだよ。』って。」
「・・・。」