Far away ~遥かなる想い~
まもなく始まった試合は、結構真剣勝負となったが、今日の主役である斗真の71期生チ-ムが見事優勝。週1回とは言え、部のコーチを務め、今回の参加者の中では、ダントツに弓を握っているはずの彩を擁する73期が本命と思われたが、その彩がなぜか今日はメタメタで、チ-ムはまさかの最下位。
「どうしたの?彩。二階くんとケンカでもしたの?」
町田遥に真顔で聞かれて
「そ、そんなんじゃないよ。ただ今日は本当に調子出なくて・・・ごめん。」
シュンとして、同級生に頭を下げる彩。
「廣瀬は昔から斗真先輩に弱いからな。先輩に花を持たせるにしても、もう少しうまくやってくれよ。」
「だから違うってば!」
遥の夫、町田浩人の冷やかしに、顔を真っ赤にして反論する彩。
「マッチ、彩がこと弓道に関して、手を抜いたり、手加減なんかするわけないでしょ。」
見かねて、由理佳が口を挟む。
「そうでした、すみません・・・。」
先輩に窘められて、町田はシュンとするが
「二階に見つめられて、緊張しちゃったんだよね。私たちの最後のインハイ予選の時も、当時憧れてた斗真の視線が気になって、ボロボロになってたからね。彩は純情だから。」
一転、由理佳に暴露され
「えっ、そうだったの、彩?」
「由理佳さん、何言ってるんですか、もう・・・。」
慌てて否定しようとする彩だが、周囲の爆笑に、憮然と言葉を飲み込むしかなかった。
この後は、ホテルクラウンプラザに移動しての懇親会。長年の弓道部とホテルの繋がりに加え、ここは彩の尽力もあり、かなりリーズナブルな費用で開催された会は、通常のOB・OG会と違ってアルコ-ルもふんだんに用意され、賑やかな雰囲気に包まれた。
斗真は1人1人にお酌をし、丁寧に頭を下げて回り、やがて彩と尚輝の所にもやって来た。
「廣瀬、二階。2人がいなければ、こんな機会は、絶対になかった。ただただ、感謝しかない。今日は本当にありがとう。」
「いえ。これからいろいろ大変でしょうけど。斗真先輩なら絶対に乗り越えられると信じています。頑張ってください。」
やはり深々と頭を下げた斗真に、彩は暖かい笑顔で答える。
「本来なら、お前に合わせる顔なんかないのに・・・。」
「先輩、それはもう言わないで下さい。過ぎたことは仕方ありません。これからは前を向いて行きましょう。お互いに・・・。」
「廣瀬・・・。」
彩の言葉に目を潤ませた斗真は、横の尚輝を見ると
「二階、こんなことを言える立場じゃないが・・・廣瀬のことを頼む。」
真剣なまなざしで告げた。
「任せてください。」
自分の目を見て、力強く答えた尚輝に、斗真はホッとしたように笑顔になった。
「どうしたの?彩。二階くんとケンカでもしたの?」
町田遥に真顔で聞かれて
「そ、そんなんじゃないよ。ただ今日は本当に調子出なくて・・・ごめん。」
シュンとして、同級生に頭を下げる彩。
「廣瀬は昔から斗真先輩に弱いからな。先輩に花を持たせるにしても、もう少しうまくやってくれよ。」
「だから違うってば!」
遥の夫、町田浩人の冷やかしに、顔を真っ赤にして反論する彩。
「マッチ、彩がこと弓道に関して、手を抜いたり、手加減なんかするわけないでしょ。」
見かねて、由理佳が口を挟む。
「そうでした、すみません・・・。」
先輩に窘められて、町田はシュンとするが
「二階に見つめられて、緊張しちゃったんだよね。私たちの最後のインハイ予選の時も、当時憧れてた斗真の視線が気になって、ボロボロになってたからね。彩は純情だから。」
一転、由理佳に暴露され
「えっ、そうだったの、彩?」
「由理佳さん、何言ってるんですか、もう・・・。」
慌てて否定しようとする彩だが、周囲の爆笑に、憮然と言葉を飲み込むしかなかった。
この後は、ホテルクラウンプラザに移動しての懇親会。長年の弓道部とホテルの繋がりに加え、ここは彩の尽力もあり、かなりリーズナブルな費用で開催された会は、通常のOB・OG会と違ってアルコ-ルもふんだんに用意され、賑やかな雰囲気に包まれた。
斗真は1人1人にお酌をし、丁寧に頭を下げて回り、やがて彩と尚輝の所にもやって来た。
「廣瀬、二階。2人がいなければ、こんな機会は、絶対になかった。ただただ、感謝しかない。今日は本当にありがとう。」
「いえ。これからいろいろ大変でしょうけど。斗真先輩なら絶対に乗り越えられると信じています。頑張ってください。」
やはり深々と頭を下げた斗真に、彩は暖かい笑顔で答える。
「本来なら、お前に合わせる顔なんかないのに・・・。」
「先輩、それはもう言わないで下さい。過ぎたことは仕方ありません。これからは前を向いて行きましょう。お互いに・・・。」
「廣瀬・・・。」
彩の言葉に目を潤ませた斗真は、横の尚輝を見ると
「二階、こんなことを言える立場じゃないが・・・廣瀬のことを頼む。」
真剣なまなざしで告げた。
「任せてください。」
自分の目を見て、力強く答えた尚輝に、斗真はホッとしたように笑顔になった。