死にたい彼女を見つけた僕
僕はどこにでもいるごくごく普通の男子高校生。だと思いたい。
特に勉強ができるわけでも運動ができるわけでもこれといった趣味があるわけでもないがそれなりに幸せな日々を送っている。部活にも入っていないしバイトと学校には行って一日が終わり。今の生活に不満なんてないけどとにかく平凡な日々だ。
一回でもいいからロマンティックな恋愛をしたい。一目惚れとか、してみたいしされてみたい。まぁ一目惚れされるようなスペックではないんだけれどもね。
僕は理想が高いのか人生で一目惚れというものをしたことが無い。可愛いなと思う子は今までで何人もいたけれどなんというか、目が会った瞬間からビビっとくるような、そんな衝撃的な出会いは無い。と友達に言ったらドラマの見すぎだと笑われた。やはり僕は少し頭がお花畑なのだろうか。

なんて冴えないボクの自己紹介なんてどうでも良くて、僕は今何をしているかというとさっそく転生のポンコツぶりを発揮し、学校へ忘れ物を取りに帰っている最中なのだ。……一目惚れどころか、こんなポンコツな僕を好いてくれる人なんて現れるのだろうか。

学校に着く。職員室に行って鍵をもらい、教室に入り忘れ物をカバンの中にしまい、早く帰ればいいものの窓から夕陽を見る、なんで少し洒落たことをしてみる。僕の学校は開放的な造りになっていて教室の窓から広い空と少しだけ向かい側の屋上が見える。
綺麗な夕日を見ながらぼけーとしているとあることに気づく。
1人の女子生徒が向かい側の屋上を歩いているのだ。もちろん屋上は立ち入り禁止で、特別な写真撮影とかがない限り生徒が入ることはできない。
なんだか嫌な予感がする。友達と来ているならまだ思い出作りかと思うけど、1人で、表情は見えないが歩き方も生気がなくフラフとしていて今にも落ちてしまいそうである。

嫌でも頭にの中に浮かんでしまう、2文字の単語。

僕は無我夢中で反対側の校舎に駆け出した。

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