推しは恋のキューピッド
お昼休憩
いつもの屋上に晴香ちゃんと2人で向かい、
ランチを楽しみつつ私は一部始終を話した。



「………ということなんですよね。
伝えることは決めたのに、本人にあんな風に逃げられちゃってね。」



私がため息をつくと、晴香ちゃんはよしよしと頭を
撫でてくれる。どっちが先輩だかわからない。



「梓さんも次から次に大変ですね。
でも、たしかにいつまでも逃げられるのは困りますよね。梓さんもだし、私も。」



「ん?私も?」



晴香ちゃんの言葉に私は首を傾げる。




「私もって、晴香ちゃんも困るの?」



「はい。困りますね。」



「それは……なぜ?」




私が聞き返すと、晴香ちゃんは
躊躇うことなくまっすぐ私を見ていう。





「私野村さん結構好みなんですよね。
だから、望みが無いのなら、サッサっと振られて
立ち直ってもらわないと困りますんで!」



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