推しは恋のキューピッド
私の言葉を聞くと、早川課長は口を押さえつつ
下を向く。


「…朝から全開だな。」
ぼそっと呟くのが聞こえたが、よく意味がわからない。


「なんですか?」
私が聞き返すも、早川課長はごほんっと咳払いをして、
また顔をあげる。


「いや、なんでもない。それより土曜、12時ごろ池袋駅東口の所集合でいいか?」


早川課長の言葉ではっとする。

「はい!大丈夫です!よろしくお願いします!」


「じゃあそれで。」

早川課長はそこまで言うと、また書類に目を落とす。
その姿を私はじーと眺めてしまう。


しばらく静かな時間が流れるも、早川課長が沈黙を破る。


「…なに?」
つっけんどんな言い方に、知らない人なら冷たいと思うかもしれないが、早川課長の優しさを知ってる私は、もう怖いと思うことはない。


「あ、すいません。なんかこうやってみるといつものクールな早川課長なんですけど、この間色々お話ししてみて可愛いなと思った部分もあって、なんかそれ周りの人知らないのってもったいないなって思って。そしたらモテモテなのになと。」


私の言葉に一瞬動きを止めるが、そのあと大きなため息を一つつく。


「可愛いって…モテなくて悪かったな。」

早川課長の言葉にハッとする。


「あ、すいません!失礼な事を!」


「いや、別に気にしてない。中森さんが分かってくれれば、別に周りにどう思われようと俺はなんとも思わん。」


「え…?」


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