推しは恋のキューピッド

推し友?

結局予定の20分前には待ち合わせ場所についた。

「早く来すぎちゃったかな…」

周りをキョロキョロしてみるが、まだ早川課長らしき人は居なそうだ。

私はコンパクトを取り出し、最後の身だしなみチェック。前髪を整えていると、


「あのー」


後ろから声が掛かった。
振り返ると、1人の知らない男の人が立っていた。


「うわ、予想以上だわ…」


私が首を傾げると、男の人が話し始める。


「あの、誰か待ってるの?もしよかったら連絡先…」


そこまで言ったところで、後ろから腕を引かれた。
背中に心地良い温もりを感じる。
そして上から低いあの声が聞こえる。


「無理。」


目の前にいた男の人はビクッとした後、
すぐ立ち去っていく。


私はそのまま上を向く。
するとそこにはずっと待っていた早川課長が立っている。


早川課長も私の顔をみる。
一瞬顔が赤くなったように見えたのは気のせいだろうか。
早川課長はすぐに目を逸らす。




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