推しは恋のキューピッド
なんだかうるさいし、熱い…
けどなんか気持ちいい
なんだこれ…

私は目を開け、テーブルに突っ伏していた顔をあげた。

「あ、起きた?」

だんだん状況がクリアになってきた。
どうやら早川課長がドライヤーで髪を乾かしてくれていたようだ。

「え!すいません!ドライヤーなんて!」

「俺もごめん。どうしようか迷ったんだけど、そこにあるし。俺も借りて、で、それでも起きなかったから。
そのままだと風邪もひきそうだしな。」


そう言ってそのままされるがままになる。
なんかこの感じ…覚えがある。

「なんか課長って、こうやって知り合ってみて初めて気づいたんですけど…私のお兄ちゃんに似てる。
っあ、顔は全然課長の方がイケメンですよ!」


私がそう言うと、はぁっと大きなため息をつく。


「推し友の次はお兄ちゃんか…」

「え?」


「じゃあたぶん中森さんのお兄さんが言いそうな事言ってやる。その短パンは心臓に悪いから、男と部屋で2人きりのときは履くのやめろ。」


「うわー!すごいそれ言いそうです!!
早川課長お兄ちゃんと気が合いますよ!絶対!」


私が感動してパチパチ手を叩くと、早川課長は嫌そうな顔をする。



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