推しは恋のキューピッド
私達は2人でお店を出る。


「送ってく。」

早川課長の言葉に、私は頷く。

その様子を愛しそうにみつめてくる。
そして早川課長はそっと私の手にふれ、握った。


私がバッと早川課長を見上げると、
少し心配そうに聞いてくる。


「だめ?」


私は首を大きく横に振る。



「だめじゃないです…」



そして無言のまま2人で夜道を歩く。
でもこの無言の時間も心地よかった。




そしてあっという間に私の家の前まで来た。
この家を出たときはどん底な気分だったのに、
今はこんな幸せで…
ほんと何が起きるかわからない。



「あのさ、俺たち付き合うってことで…いいんだよね?」




「………はい。宜しくお願いします。」



そういうと、早川課長がぎゅっと抱きしめてきた。
少し強い力だが、それが心地よい。

なんだか離れがたくなってきた。


「…あの、泊まっていきます?」


私の問いかけに早川課長の動きがとまる。

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