大国に嫁いだ小国の姫は国家機密を知り影武者と取引する【完結】
ミトは書物を開いてはいたが、全く読んではいなかった。
意識はずっと扉の向こうに向けられていた。
(私、やっぱり、セイラム様のことを…)
部屋を飛び出してセイラムに会いたいと思っている自分がいる。
「はぁ…」
ミトは小さくため息をついた。
今更ながら、影の言葉が突き刺さる。
『誰があんたと恋に落ちて手を出す?そんなヤツ、この国にいるはずねーだろ』
本当にその通りだ。
セイラムが自分の気持ちに応えることなど100%ありえないと、ミトだってわかっている。
片思いでもいい、そう思っていたはずなのに。
(こんなに苦しいなら、こんな気持ち知らない方が良かった)
ミトは気弱になっていた。
「何を読んでいるんですか?ミト」
思いっきり物思いにふけっていたところにいきなり声をかけられて、ミトは飛び跳ねそうになるほど驚いた。
いつの間にか、影が間近にきていたのだ。
あまりに驚いて何も言えないミトの隣に、影は密着するように腰を下ろす。
ミトは反射的に逃げようとしたが、影がそれを許さない。
強く肩を抱かれ、引き寄せられた。
「ちょっ…」
「すごいですね、ミト。これはかなり高等な本ですよ。私も読みましたが、なかなかに難解でした」
ミトの本を覗き込んで感心する影。
「離して。必要以上にくっつかなくてもいいでしょ」
ミトは立ち上がろうとしたが、それも叶わなかった。
影はミトから本を取り上げ、ベッドの端に置くと、躊躇なく押し倒した。
「や、やめてっ!」
焦るミト。
抵抗したが、影に両手首を掴まれて身動きが取れない。
意識はずっと扉の向こうに向けられていた。
(私、やっぱり、セイラム様のことを…)
部屋を飛び出してセイラムに会いたいと思っている自分がいる。
「はぁ…」
ミトは小さくため息をついた。
今更ながら、影の言葉が突き刺さる。
『誰があんたと恋に落ちて手を出す?そんなヤツ、この国にいるはずねーだろ』
本当にその通りだ。
セイラムが自分の気持ちに応えることなど100%ありえないと、ミトだってわかっている。
片思いでもいい、そう思っていたはずなのに。
(こんなに苦しいなら、こんな気持ち知らない方が良かった)
ミトは気弱になっていた。
「何を読んでいるんですか?ミト」
思いっきり物思いにふけっていたところにいきなり声をかけられて、ミトは飛び跳ねそうになるほど驚いた。
いつの間にか、影が間近にきていたのだ。
あまりに驚いて何も言えないミトの隣に、影は密着するように腰を下ろす。
ミトは反射的に逃げようとしたが、影がそれを許さない。
強く肩を抱かれ、引き寄せられた。
「ちょっ…」
「すごいですね、ミト。これはかなり高等な本ですよ。私も読みましたが、なかなかに難解でした」
ミトの本を覗き込んで感心する影。
「離して。必要以上にくっつかなくてもいいでしょ」
ミトは立ち上がろうとしたが、それも叶わなかった。
影はミトから本を取り上げ、ベッドの端に置くと、躊躇なく押し倒した。
「や、やめてっ!」
焦るミト。
抵抗したが、影に両手首を掴まれて身動きが取れない。