大国に嫁いだ小国の姫は国家機密を知り影武者と取引する【完結】
もしも、ミトが望む恋を10ヶ月間で手に入れたとしても、成就するのは不可能だ。
ミトはセルファの側室として、ローザンで一生を終える運命なのだから。
万が一好きな男ができたとして、本当にそれがミトの幸せなのだろうか。
むしろ、好きな男ではない自分と過ごす時間が、拷問のように苦しく感じるのでは?
だとするならば、むしろ恋への憧れを捨ててしまった方が楽に違いない。
自分のように何もかも諦めて、示された道を進むしかないのだから。
(じゃあ、この苛立ちはなんだ?)
ミトの悪あがきを哀れに思いながら、影は自分に強い苛立ちを感じている。
ミトに出会うまで感じたことのないこの気持ちは何なのだろう。
自己分析ができない自分に、影は更にイライラを募らせる。
(…自分も、まだ諦めていないということなのか)
生まれてからずっと長い年月をかけて心の折り合いをつけてきたはずなのに、ここへきて乱れる感情に影は不安を感じた。
やはり、この気持ちに結論を出してはならない。
自分の思考を止め、なんとか眠りに入ろうとしたが、一度頭に浮かんだ考えは消えることもなくグルグルと回り、気付けば朝になっていた。
ミトはセルファの側室として、ローザンで一生を終える運命なのだから。
万が一好きな男ができたとして、本当にそれがミトの幸せなのだろうか。
むしろ、好きな男ではない自分と過ごす時間が、拷問のように苦しく感じるのでは?
だとするならば、むしろ恋への憧れを捨ててしまった方が楽に違いない。
自分のように何もかも諦めて、示された道を進むしかないのだから。
(じゃあ、この苛立ちはなんだ?)
ミトの悪あがきを哀れに思いながら、影は自分に強い苛立ちを感じている。
ミトに出会うまで感じたことのないこの気持ちは何なのだろう。
自己分析ができない自分に、影は更にイライラを募らせる。
(…自分も、まだ諦めていないということなのか)
生まれてからずっと長い年月をかけて心の折り合いをつけてきたはずなのに、ここへきて乱れる感情に影は不安を感じた。
やはり、この気持ちに結論を出してはならない。
自分の思考を止め、なんとか眠りに入ろうとしたが、一度頭に浮かんだ考えは消えることもなくグルグルと回り、気付けば朝になっていた。