悪女の代役ステラの逃走。〜逃げたいのに逃げられない!〜
3.目覚めたステラ
品のある白い天井に美しいシャンデリアがぶら下がっている。
次目覚めた時、私の目の前には見知らぬ天井が広がっていた。
ここはどこ?
こんな場所私は知らない。
この豪華さから貴族の部屋だということは察したが、私の知っているリタの部屋はこんな部屋ではなかった。
彼女の部屋はもっと贅沢で豪華だ。こんなにも品があり、上品なものではない。
今生きているということはおそらくあの試作品の〝時間を戻す魔法薬〟が成功したのだろう。
だがしかし私の記憶のどこを探してもこんな場所はなかった。
ここは一体どこなのか。そもそも私は一体どこまで時間を戻すことに成功したのか。
寝ていても何もわからないので私はゆっくりとベッドから上半身だけ起こした。
「ゔっ」
ズキッと何故か刺された左脇腹が痛む。
時間が戻ったはずなのでは?どうして脇腹が痛むのか。
痛みの反射で左脇腹を抑えると同時に自分の体が目に入る。その体はとても小さく12歳くらいのものに見えた。
私は7年ほど前に戻ってきたのだろうか。
でもじゃあ何故左脇腹に刺し傷があるのだろう。
情報が足りない。
そう思ってベッドから降りようとしたその時、この部屋の扉が誰かによって開けられた。