痛い【短編小説】
別れ
「ねえ愛那、知ってる?誰かに告って付き合ったらしいよ!?」


友達が話しかけてきた。


今日は誰もがこの話題で持ちきりだ。


誰と誰が、なんて言われなくてもわかる。




凛に話しかけられても、うまく笑顔でいられない。


嫉妬が抑えられなかった。




「ホームルーム始めるよ!みんな座ってー」



先生が教室に入りながら言った。




先生の顔が少し暗いのは、気のせいだろうか。


そして、彼の顔をちらっと見た。


彼の顔も、少しばかりか暗かった。


付き合ったことを広められたから?


それとも別の理由があるんだろうか。




その理由は、すぐにわかった。






「今日で、お別れになる人がいます」


先生が抑揚のない声で言った。




その後すぐに、彼がその場で立った。


周りから、いろんな声が聞こえてきた。



驚きの声、悲しみの声、どうして今まで教えてくれなかったのか、という怒りの声も少し。



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