一途な消防士は、初恋の妻を激愛で包み込む
「そう、なんですか……?」

 妹が無事だと聞いてほっとした気持ちと、自分のことしか考えていないあの子に対する怒りが、沸々と身体の奥底から沸き上がるのを感じる。

 ーー陽日さんが出入口の扉に、外側から鍵をかけなければ。
 私だって自分の足で、関宮先輩に迷惑をかけることなく脱出ができたのに……。

 あの子にとって私は、命を賭けて助けたいと思うような人間ではなかった。
 陽日さんとは、半分しか血が繋がっていないから。
 私はいつだって妹にとっては邪魔者だった。

 あのまま死んでしまったほうがよかったと、そう思われても仕方ない存在だったのだと。
 ずっと見ないふりをしてきた現実を、突きつけられた気がしてーー。

 悔しさを隠し切れずに、彼から視線を逸らした。
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