一途な消防士は、初恋の妻を激愛で包み込む
3・星奈さんを想う気持ちは本物(香月)
「7年経っても宇多見を愛してるとか、小隊長ってば一途っすよね~」
一刻も早く着替えを済ませて、帰路へ着きたいのに。
部下であり高校時代の後輩である青垣が、ロッカールームで俺を茶化してくる。
「大チャンス到来じゃないすか! ここは押して押して、押しまくるしかないっすよ!」
二人だけで会話をするならともかく、この場には星奈さんと俺の関係を知らない同僚達がいるのだ。
彼らはじっと息を潜め、こちらの会話を盗み聞きしていた。
「小隊長の部下兼後輩として、宇多見の知らないあーんなことやこーんなことを教えるの、超楽しみっす!」
ーー俺は職場で、無駄口を叩くようなタイプじゃないから。
弱みを握ってもっと交流を深めたいと思ってくれるのはいいことかもしれないが、彼らと仲良くなる暇があれば。
俺は星奈さんと少しでも一緒の時間を、作ってやりたかった。
あの子は不器用で、鈍感で。
自分がどれほど恐ろしい環境に置かれているのかを、理解できていないみたいだから……。
俺がちゃんと、教えてあげないと。
手取り足取り、女狐の魔の手から救い出すためにも……。
一刻も早く着替えを済ませて、帰路へ着きたいのに。
部下であり高校時代の後輩である青垣が、ロッカールームで俺を茶化してくる。
「大チャンス到来じゃないすか! ここは押して押して、押しまくるしかないっすよ!」
二人だけで会話をするならともかく、この場には星奈さんと俺の関係を知らない同僚達がいるのだ。
彼らはじっと息を潜め、こちらの会話を盗み聞きしていた。
「小隊長の部下兼後輩として、宇多見の知らないあーんなことやこーんなことを教えるの、超楽しみっす!」
ーー俺は職場で、無駄口を叩くようなタイプじゃないから。
弱みを握ってもっと交流を深めたいと思ってくれるのはいいことかもしれないが、彼らと仲良くなる暇があれば。
俺は星奈さんと少しでも一緒の時間を、作ってやりたかった。
あの子は不器用で、鈍感で。
自分がどれほど恐ろしい環境に置かれているのかを、理解できていないみたいだから……。
俺がちゃんと、教えてあげないと。
手取り足取り、女狐の魔の手から救い出すためにも……。