桜が散る今日のピンクムーン
俺は桜の悩みについて聞こうとはしなかった。

桜は多分、自分の悩みとかについて触れられたくないタイプだから。

「月、綺麗だね」

「綺麗だな」

白く真上に輝いていて、雲で隠れたり顔を出したりするのが見てて飽きなかった。

もう深夜と言える時間帯で、俺はそろそろ眠くなってきた。

それは桜も同じだったようで、もうベランダから出て鍵を閉めた。

「来年も見ようね」

「おー」
< 2 / 7 >

この作品をシェア

pagetop