桜が散る今日のピンクムーン
ピンクムーン
*
桜がこの世から散ってから、もうすぐ一年が経つ。
なぁ、俺さ。桜が居なくてもなんとかやっていけてるよ。
今日はピンクムーンの日。
本当なら、隣に桜が居たはずの今日。
俺は一年前と変わらない位置で、ベランダに寄りかかった。
夜空を見上げると、ピンクムーンがあった。
なぁ、ピンクムーンってさ、好きな人と一緒に見ると、恋が叶うんだろ?
ほんと、色々と気付くの遅いよな、俺。
桜の好きな人は、俺だったんだな。
頬に熱いものが伝って、俺は初めて涙を流していたことに気が付いた。
あぁ、やっぱり寂しいな。
何年経っても、忘れられねえよ。
俺は深夜なのにも関わらず、桜を見に外へ出た。
涼しい風が吹いて、桜も揺れる。
「春」
「え?」
桜の声が聞こえた。
驚いて辺りを見回しても、当然桜の姿はない。
なんだったんだ、今の。
でも、そんな驚きよりも、桜の声を聞けたことがただただ嬉しかった。
桜が心の中にまだ存在しているみたいで。心の中で繋がっていられている気がして。
やっぱり、桜が居ないのは寂しい。
でも、ずっとここで繋がっていられると思うと、少しは前向きな気持ちになれた。
なぁ、桜が綺麗だな。
桜がこの世から散ってから、もうすぐ一年が経つ。
なぁ、俺さ。桜が居なくてもなんとかやっていけてるよ。
今日はピンクムーンの日。
本当なら、隣に桜が居たはずの今日。
俺は一年前と変わらない位置で、ベランダに寄りかかった。
夜空を見上げると、ピンクムーンがあった。
なぁ、ピンクムーンってさ、好きな人と一緒に見ると、恋が叶うんだろ?
ほんと、色々と気付くの遅いよな、俺。
桜の好きな人は、俺だったんだな。
頬に熱いものが伝って、俺は初めて涙を流していたことに気が付いた。
あぁ、やっぱり寂しいな。
何年経っても、忘れられねえよ。
俺は深夜なのにも関わらず、桜を見に外へ出た。
涼しい風が吹いて、桜も揺れる。
「春」
「え?」
桜の声が聞こえた。
驚いて辺りを見回しても、当然桜の姿はない。
なんだったんだ、今の。
でも、そんな驚きよりも、桜の声を聞けたことがただただ嬉しかった。
桜が心の中にまだ存在しているみたいで。心の中で繋がっていられている気がして。
やっぱり、桜が居ないのは寂しい。
でも、ずっとここで繋がっていられると思うと、少しは前向きな気持ちになれた。
なぁ、桜が綺麗だな。


