DEEP BLUE
「…あった……ここかな……」
萌に教えてもらった通りに歩き、数分掛けてやっと辿り着いた。
あなたが待っている場所に。
「────遅くなってごめんね……怒ってる?」
カサッと花を手向け、あなたが眠っている場所に座り込んだ。
───……ザァァァン………
ここは海がすぐそばにある。
常に波の音が聞こえるし、海が見える。
だから寂しくないかな?
いつもここで海を見ているのかな?
海が好きなあなたが眠るには、ピッタリの場所だと思うな。
「………あたしね……?
“愛美”はもう辞めちゃったんだぁ……」
何も返事が返って来ないお墓を見つめると、あなたの笑顔がふいに浮かんで涙が溢れた。
「あれからまた沢山辛い事あったけど……
今ね、あたし幸せだよ………」
“愛美さん”
「……ってかさぁ、太郎ドジだね?
待ち合わせ場所全然違うじゃん。
あたし………っ………
あんたがここで待ってるなんて……っ……
全然っ……知らなかったよぉ……………〜〜〜っ……」
………太郎のおっちょこちょい。ドジ。バカ野郎。
待ち合わせ場所はここじゃないよ
でもここでやっと逢えたね
あたしやっと辿り着いたよ
遠かったな
すごく遠かった
あたしは何年掛かったかな
あなたは何年待っててくれたかな?
「………太……郎、………っ」
ずっとここで待ってくれてたんだね。
気づけなくてごめんね。ごめんなさい。
でもさ、ここじゃいくらあたしでも見つけられないよ。
まさか死んじゃってるなんて思いもしなかったから
あんなの、完全に裏切られたと思っちゃうじゃん。
バカ。バカ野郎。
「─────…ふっ……う……うわぁぁぁ………!」
ボタボタと鼻水と涙を流し、誰もいない事をいい事にその前で大声を出して泣いた。