敏腕編集者の愛が重すぎて執筆どころじゃありません!~干物女な小説家は容赦なく激愛される~
彼の車の助手席に乗り込み、北桜グループが懇意にしているというホテルに向かう。
「こんな場所ですみません」と前置きして案内されたのは、シティビューが望めるスーペリアルーム。気を使う必要などないほどの上質な部屋だ。
「誰が訪問してきても開けないでください。フロントにもそう伝えておきます。必要なものがあればいつでも連絡を。俺は一度会社に戻って、編集長と対策を練ってきますから――」
慌ただしく出ていこうとする誓野さん。
イレギュラーなことが起きて編集部は今てんやわんやなのだろう。もしかしたら北桜グループ全体が対応に追われているのかもしれない。
『石楠花みどりプロジェクト』は、北桜グループすべてを巻き込んだ一大事業だ――かつて誓野さんがそう言っていたのを思い出し、取り返しのつかないことが起きてしまったんだと怖くなった。
「夕方には戻ってきますので、それまでここに――」
彼が背中を向けた瞬間、手が伸びる。行かないで――無意識にそう感じたのか、彼の背中のシャツを掴んで引き留めた。
だがすぐにそれがわがままだと気づいて、取り繕うようにパッと手を離す。
「こんな場所ですみません」と前置きして案内されたのは、シティビューが望めるスーペリアルーム。気を使う必要などないほどの上質な部屋だ。
「誰が訪問してきても開けないでください。フロントにもそう伝えておきます。必要なものがあればいつでも連絡を。俺は一度会社に戻って、編集長と対策を練ってきますから――」
慌ただしく出ていこうとする誓野さん。
イレギュラーなことが起きて編集部は今てんやわんやなのだろう。もしかしたら北桜グループ全体が対応に追われているのかもしれない。
『石楠花みどりプロジェクト』は、北桜グループすべてを巻き込んだ一大事業だ――かつて誓野さんがそう言っていたのを思い出し、取り返しのつかないことが起きてしまったんだと怖くなった。
「夕方には戻ってきますので、それまでここに――」
彼が背中を向けた瞬間、手が伸びる。行かないで――無意識にそう感じたのか、彼の背中のシャツを掴んで引き留めた。
だがすぐにそれがわがままだと気づいて、取り繕うようにパッと手を離す。