敏腕編集者の愛が重すぎて執筆どころじゃありません!~干物女な小説家は容赦なく激愛される~
今にもかみつきそうな目をしている誓野さんの代わりに、私が目の前のマイクを掴んだ。
「はい、わがままで手のかかる石楠花みどりがお答えいたします」
誓野さんがぎょっとした顔で振り向いた。
隣で編集長も「えと……石楠花先生……?」と困惑顔だ。
「司会の彼が紹介してくれた通り、本作に限らず執筆期間中は入浴、食事、睡眠以外のすべての時間を執筆作業に当てます。食事は手もとにあれば食べますし、なければ食べなくても二日程度なら生きられます。さすがに三日目は厳しくて、一度栄養失調で倒れて以来、編集部の方がご厚意で家事をしてくださるようになりました」
突然ヤケになって喋り始めた私に、マスコミの方々は呆然として沈黙。難癖をつけていた男性でさえ、ぽかんと口を開けている。
「執筆さえできればほかになにもいりませんし、街に出てお酒を飲むなんて時間と労力の無駄だと思っています。部屋には本と机とパソコンと眠るためのソファがあれば充分。寝室は使ったことがありません。これが私、文学に全振りした人生を送ってきた石楠花みどりのすべてです。男を買うお金があったら、ロマン主義文学の絶版雑誌をオークションで落とします」
「はい、わがままで手のかかる石楠花みどりがお答えいたします」
誓野さんがぎょっとした顔で振り向いた。
隣で編集長も「えと……石楠花先生……?」と困惑顔だ。
「司会の彼が紹介してくれた通り、本作に限らず執筆期間中は入浴、食事、睡眠以外のすべての時間を執筆作業に当てます。食事は手もとにあれば食べますし、なければ食べなくても二日程度なら生きられます。さすがに三日目は厳しくて、一度栄養失調で倒れて以来、編集部の方がご厚意で家事をしてくださるようになりました」
突然ヤケになって喋り始めた私に、マスコミの方々は呆然として沈黙。難癖をつけていた男性でさえ、ぽかんと口を開けている。
「執筆さえできればほかになにもいりませんし、街に出てお酒を飲むなんて時間と労力の無駄だと思っています。部屋には本と机とパソコンと眠るためのソファがあれば充分。寝室は使ったことがありません。これが私、文学に全振りした人生を送ってきた石楠花みどりのすべてです。男を買うお金があったら、ロマン主義文学の絶版雑誌をオークションで落とします」