敏腕編集者の愛が重すぎて執筆どころじゃありません!~干物女な小説家は容赦なく激愛される~
「俺に作戦があります。乗っていただけますか」

「私にできることでしたら」

「では、手配しておきます」

彼は携帯端末を操作してメモを取っていたが、ふと顔を上げ、至極真面目な顔で口を開いた。

「それと、石楠花先生。いや、翠さん」

突然呼び方を変えたので、私は「……はい?」と首を傾げる。

「しばらくの間、俺の恋人になってください」

「…………は?」

なにを言い出すのだろう、この男は。

だから男の担当なんて嫌だったのだ。すぐにでも吉川さんにクレームの電話を入れなくちゃ、そう決意した私だった。




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