桃色
だけど、私はこのまま失くしたことにしてしまえばいいと思った。


「探したけど、見つからなかったの。もう、失くなってしまったの!!」


私は、キレている健ちゃんにそう言い放った。


「なんや、お前、最低やな!!優士がどんだけ頑張ってあれ買ったと思ってるんや!」


健ちゃんは本気でキレていた。


「それは、すごい分かってるよ・・・」

「だったら、何で大事にせんのや!?俺、桃子がそんな奴やと思わんかったわ!ってか、マジ見損なったわ!最低やな、お前・・・」


健ちゃんにそう言われて私は泣きそうになった。

でも、私にはここで泣く資格なんてない。




私は、1人教室を飛び出した。


・・・私が向かった先はあの場所。



ゆぅ君と初めて話したあの秘密の場所だった。

私はコンクリに座って一人で泣いた。



昨日、あれだけ泣いたのにまだ涙が出てきた。

いろんなことを思い出して、涙は止まらなかった。






すると、足音が聞こえてきた。


「・・・水嶋?大丈夫か?」


私は声のする方に顔を上げた。


そこには、心配そうな顔をしたゆぅ君がいた。


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