桃色

大切な友達

千絵達が心配してた。

「桃子、大丈夫なの?」

そう言われることにも、もう慣れた。

「別に、大丈夫だよ・・・」

私はいつも平然とそう答えた。

千絵達に言っているようで、本当は自分に言い聞かせていたのかもしれない。

これが私なんだ・・・。

仕方ないんだよ、大丈夫だよ。


3年になって、私はほとんどの時間を一人で過ごした。

梨花と加奈とも違うクラス。


タケルとはまた同じクラスになったけど、タケルは、ほとんど学校に来ていない。

まぁ、来ていたとしても私とは一緒にいないと思うけど。


タケルの噂はよく聞く。

荒れているとか、遊んでるとか・・・。


でも、もう関係ないよ。

それに、今さら新しく友達を作ろうなんて思わない・・・。

友達なんて面倒なだけだし。


今のこんな私に寄ってくる人なんて、遊び人の男か、やばい連中だけだし・・・。


また、文句を言われるようになった。


私のそばに、タケルがいないからだね。


タケルがそばにいてくれてたこと、守られてたこと今さらながら、実感するよ。


文句言いたい奴には言わしとく。

殴られてもいい。

別に、痛くもかゆくもない。

何も感じない・・・。


私はいつからこんなになったんだろう?

寂しくない?自分に問いかける。

苦しくない?痛くない?


私が一番悲しいのは、今、あなたが隣にいないってことだけ・・・。


こんな時でさえ、あたしの心の中はあなたのことでいっぱいなんだ・・・。



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