桃色
「あのな、さっきはごめんな。こいつらホンマに悪いと思っとるけん許してやってほしい・・・」


私はそれを聞いて、少しガッカリした。


何で、ヒロ君が謝るの?

ヒロ君は何も悪くないのに・・・。


すると、私を殴ろうとしていた女がごめん、と謝ってきた。

別ni
謝ってほしいわけじゃない。

そんなことどうでもいいんだよ。


たださ、私に絡んでこないでほしいだけ。


「別に、気にしてないから!」


私はぶっきらぼうにそう言って足早にそこを離れた。


靴を履き替えて出ようとしたとき、後ろからこんな声が聞こえてきた。


・・・・・私は思わず耳を疑った。


謝ってきたはずの女の声。

そして、不良達の声。


「何、あいつの態度。あんな奴のどこがいいん?」

「あたしら、悪くないやろ?」

「元はと言えば、人の男取るあいつが悪いんやろ!」


不良達がヒロ君にそう言っていた。


ヒロ君が不良達に何か言っていたけど、それは聞こえなかった。


不良達は私に聞こえないと思って言っていたんだろうけど、よーく聞こえたよ・・・。


なつが気にするすることないって言ってくれた。


「私、何も気にしてないよ」


私はそう言うしか出来なかった。


そして、3人で千絵の家に向かった。


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