First Light.

コンビニにバイクを停めた理人さんは私と一緒に坂を上り家の前まで送ってくれた。


「……いつまでニヤニヤしてんだよ。早く帰りなさい」

「だって、私はコンビニまででいいって言ったのに」


あの日の答えはハッキリとは貰っていない。
むしろ私は振られたと思っているけどこうしてまた話してくれるようになった事、前と変わらない態度につい口角が上がってしまう。


「また会いに行ってもいいですか?」


ちゃんとお昼の明るい時間帯に。
と付け足すと「勝手にすれば」と素っ気ない言葉が返ってきた。

それすらも彼らしいと思ってしまう私はきっと浮かれている。


「じゃあ、また今度」

「じゃあな」


鞄から鍵を取り出して開けようと思った時に「あ」という理人さんの声が聞こえて思わず振り返った。


「……また連絡するから」

「えっ」

「じゃ!」

「えっ!?」


逃げるように去って行った理人さんの言葉に簡単にときめいてしまう自分が嫌だ。

…あぁ、ほら。

口角が自然に上がってしまう。
今の私は気持ち悪いくらいにニヤニヤしているだろう。

明かりのついた家の中に入り、リビングに居たお母さんに「ただいま」と声をかけ2階に上がるとそのタイミングでスマホの通知音が鳴った。


《おやすみ》


理人さんからの久しぶりのメール。
たった4文字なのに嬉しくてたまらない。


《送ってくれてありがとうございました》
《おやすみなさい》


もっと可愛らしく絵文字を使ったりして送信した方が良かったかもしれない。

誕生日の時にユズから貰った可愛らしいスタンプを付け加えて送信した。



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