First Light.
「……菅野」
「菅野 理人さん?」
「俺の名前知ったって需要ないだろ」
「ありますよ。またクラブに行った時、変な人に絡まれたら理人さんの名前を出すんです」
「はぁ?俺の名前出したって別に、」
「理人さん謎に怖がられてたじゃないですか」
理人さんが食べ終えたアイスのゴミを貰い、ビニール袋へと入れた。
日陰に入っていたとしてもこの時期はどうも暑い。
やっぱり夏は嫌いだ。
「…お前の勘違いだろ」
「何かしたんじゃないんですか?…んー、実は理人さんは相当な権力を持った人とか?」
「はぁ?」
「それか昔は誰もが恐慄くヤンキーだったとか」
「…違ぇわ」
「嘘つくの下手ですね、分かりやすい」
「は、だるお前」
理人さんは私からあからさまに目を逸らして腰掛けていたブロック塀から立ち上がった。
バイクに乗った時から思っていたけど理人さんからは香水なのか、ふわりと甘くていい匂いがする。