First Light.
「クラブに行ったのはただの好奇心です」
まぁ、そのほとんどはユズのだけど。
「もう来んなよ。あそこはあんたみたいな奴が来る場所じゃねぇから」
「私みたいなって、お嬢様が来るような所じゃないって事?」
「そう。お嬢様は知らなくていい世界なんだよ」
「お嬢様だってたまには遊びたいんですよ」
「知るかよ、勝手にお茶会でもしてろ」
その言葉にブッと思わず吹き出して笑ってしまった。
食べ終わったアイスの棒をガジガジと齧りながら彼は「何笑ってんだよ」と私を睨んでいる。
「そういえば名前なんていうんですか?」
「は?なんで?」
「だって私の名前は知ってるじゃないですか」
「それはあんたが自分から個人情報落としてったからだろ。俺は不可抗力」
「…確か、なんとか理人さん?」
「………」
助けて貰った時に呼ばれた名前を言うと、更に不機嫌そうな表情になってしまった。