First Light.


「ん、そういえばもうすぐ夏休みなんですよ」

「うわ、“夏休み”とか懐かし」

「だからまたクラブに行く?って友達となってて」

「は?もう来んなって俺言ったはずだけど」

「冗談じゃないですか、そんな本気で怒らなくても…」

「来たらマジで怒るからな」

「…もう怒ってるじゃないですか」


こうやって2人で話すようになってどれくらい経っただろうか。

夜中に1度たまたま会ったおかげで夕方だけじゃなくこの時間も会って話すようになった。
私にとって、この時間はいつの間にか大切なものになっていた。

そんな空間を切り裂くように理人さんのスマホの着信音が鳴り響いた。


「あー…、俺もう行かないと」

「…あぁ、もうすぐ1時ですもんね」

「悪ぃな、気を付けて帰れよ」


理人さんといる時、特に夜。
毎回と言っていいほど誰かから電話がかかってくる。
画面に表示された名前を見てはため息をついて、渋々立ち上がり帰って行く。

…やっぱり彼女、なのかな。

聞けないでいるのはなんとなく、聞きたくないからなのかもしれない。


< 42 / 250 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop