勇気の歌(Summerloveの前の話)
第三章

破壊


外が騒がしいような気もしたが、今日は眠ってしまいたい。


ゆっくりとベッドに横になって、それぞれの思いを馳せていた。



走馬灯の様に駆け巡る脳内の記憶を追っかけて、思い出したことと言えば。



ーーー俺は何もできてない。



そんな結論。


目を瞑っていても、何だか億劫な気分に追いやられてしまうためにテレビでもつけようと電源を入れた。



すると、一つのニュースが飛び込んだ。



内容は、☓☓町で火事が起こって、一家が行方不明だとの事。



冷や汗が出た。


☓☓町と言えば、松阪が住んでいる地域だからだ。



まさか………。



嫌な予感がして、直ぐ様松阪に電話をかける。




電話番号は繋がらない。


おかしい、寝ているのか?



嫌でも、明らかにニュース画面は松阪が住んでいる数メートル近くの地域なはずなのに。

ありとあらゆる連絡を取り合っていたら、早羽から連絡が。



「あかん!!!修!!!雪が、雪がやりやがった!!!」



「ど……どうした!?何があったんだ」



「雪が………雪が松阪の家に火をつけたんや!!家族を殺したかもしれん!!!」



すぐさま飛び起きて、車を飛ばした。




松阪の家に着くとーーーそこは火の海だった。



息の根が止まって、人混みをかき分ける。



そこに立っていたのは、屍のように力なくたたずんだ松阪が立っていた。

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