それは禁断という愛
「俺は、美麻さんを好きなのに、他の人のところへ行かない。」

私の顔が、カァーっと赤くなった。

「分かった?」

「うん。」

誰かに好きになって貰えるって、なかなかないこと。

とても、嬉しい。

「さあ、行こう。」

里中さんは、私の手を掴むと指を絡めた。

「今日は、イタリアンにしたんだ。」

「えっ……」

私は呆然とした。

里中さん、いつも居酒屋派なのに。

「ん?」

しかも、私の顔を覗き込む顔が、なんだかカッコよく見える。

「ううん。」

私と里中さんは、ゆっくりと歩き始めた。


里中さんが予約したイタリアンは、少し歩いた大通りにあった。

「いらっしゃいませ。」

落ち着いた感じの雰囲気。

私達は、奥にあるテーブルに案内された。

「とても素敵なお店ですね。」

「だろ?」
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