それは禁断という愛
社内恋愛って、こういう事あるんだなぁと思った。

部長の時も、人目に付かないように店で待ち合わせしていた。

私ってどうやら、秘密の恋愛が染みついているらしい。

その時、里中さんからメールが来た。

何気なく開くと、【ストップ】とだけ書いてある。

「ん?」

足を止めると、後ろから肩を叩かれた。

振り返ると、里中さんがはぁはぁと息を切らしながらうつむいている。

「里中さん!」

「ようやく追いついた。」

里中さんは顔を上げると、ちょっと怒っている気がした。

「なんでそうなるの。」

「えっ?」

「なんで俺が美麻さんとのデートを断って、瀬田さんと飲みに行くの。」

「えっと……」

「もう、分かってないなぁ。」

里中さんは、大げさに髪を掻き上げた。
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